利用者の生活圏内で提供されるサービス
地域密着のグループホーム地域密着という大きな特徴
認知症高齢者向けグループホームの特長には様々なものがあるのですが、特に重要なポイントの一つに地域密着というのが挙げられます。一般的な介護施設のうち、特に高級老人ホームのような施設は決して地域密着で運営されているわけではありません。特に関東近郊に建設されている高級老人ホームに多いのですが、今まで都市部で仕事を行い平均以上に稼いで財産も持っているような人達が、老後にこれまでの生活圏内であった都心ではなくリゾートのような環境でゆっくりと過ごすような施設が多いです。
しかし認知症高齢者向けグループホームはこのような施設ではなく地域密着を重視した施設であり、介護保険制度の枠組みにおける地域密着型サービスのくくりの中に存在します。これはどういうことかと言いますと、高級老人ホームのようにその地域外の人間が越境して移り住んでくる施設ではなく、その地域の市区町村が運営しその地域の市区町村に住む人が入居する施設ということです。
入居の制限
認知症高齢者向けグループホームは上記のように地域密着という趣旨がありますので、入所するためにも制限が存在します。まずは原則としてその認知症高齢者向けグループホームが所在する市区町村に居住している人でなければいけません。つまりその認知症高齢者向けグループホームが所在する市区町村の住民票を有している必要があるということです。また当然グループホームは認知症となった高齢者のための施設なので、グループホームに入所を希望している人が認知症の診断を受けたかどうかも確認されます。入所を希望する人は、主に要支援2、または要介護1以上の認知症患者でなければならず、その年齢も65歳以上でなければいけません。そのため、たとえ認知症であっても65歳未満で初老期認知症に該当してしまう方や、もっと若い年齢で若年性認知症だと診断されてしまったような方が認知症高齢者向けグループホームに入所することはできないのです。
またこうした定量的な制限以外にも定性的な制限が存在し、グループホームが認知症高齢者の方の共同生活の場である以上、一定度以上は自立して自分の身の回りのことを行えなければなりません。こうした制限もないと多少人よりも自立している認知症高齢者の方がもっと重症の認知症高齢者の方の介護を一身に引き受けてしまうというとんでもない事態になってしまいかねないからです。また介護は本来家族が行うのが望ましいものとされていますので、家族がその面倒を見ることができないという証明も必要です。