グループホームでの職員の役割
まずは基本的なことを知ろうグループホームの存在意義
認知症高齢者のためのグループホームが他の介護施設とどのように異なるのか、その本質的な役割に注目してみてみましょう。まず認知症高齢者のためのグループホームで大事にされていることは、入所者の方たちがただ生きていくことや生活を営んでいくことが目的ではないということです。認知症高齢者のためのグループホームではそこに入所する人たちが人間として自分の足で自立して生活していけるという自信を取り戻していくことをとても大事にしているのです。
そのような本質的な役割を全うするためにも、認知症高齢者のためのグループホームで働く職員には求められている心構えがあります。それは高齢者の認知症とはどのような病なのかということを正しく理解し、いたずらにグループホームの入所者たちの不安や孤独感を刺激したりしないようにすることです。認知症高齢者のためのグループホームに入所する方たちは認知症を患っていますので、若く健康な人には理解できないようなことが起こるかもしれません。しかしそうだとしても相手に残っている生活能力や人間性を尊重し、その能力を発揮する手助けをすることが求められているのです。
職員の役割
より具体的な認知症高齢者のためのグループホームに所属する職員の役割ですが、それは決して入所する方達の生活を管理したり監督したりすることではありません。もちろん何か事故などが生じては大変ですから、ある程度安全面に配慮をすることは求められます。しかしその存在はあくまでも認知症高齢者のためのグループホームに入所する人たちが自分たちの力で幸せに生活していくことをサポートしていくことにあるのです。
例えばグループホームの中では日々の生活を営むために買い物や食事の準備、それに掃除や洗濯などの家事が発生しますが、それらを利用者と職員が共に協力しあって進めていきます。これが介護施設の場合、入所者や利用者にはそのような家事を一切行わせないという場合もあるのです。もちろんその方が入所者の方々の生活は一時的に楽になるのですが、本人の生活能力は衰え続けていくことになります。そしてそうしたことを認知症高齢者のためのグループホームの理念は良しとしていません。
そのため認知症高齢者のためのグループホームでは、職員はあくまでも一緒に家事や作業を行う仲間であり、職員が何でもかんでも率先して家事を行い終わらせるというようなことはないのです。